重要ポイント

  • 公式認証: ナミビアのナミブランド自然保護区は「国際ダークスカイ保護区」(光害のない夜空を守る認定地域)に指定され、地球上で最も暗く保護された夜空の一つとされている。
  • 鍵となる科学プロジェクト: 南アフリカ・カルー地方のスクエア・キロメートル・アレイ(SKA、大規模電波望遠鏡群)が、天体観測に特化した観光関連産業の形成を牽引している。
  • 現地雇用の創出: ケニア、ナミビア、南アフリカでは、天文ガイドや専門技術スタッフといった新たな専門職が生まれている。

「暗闇」という魅力

何度も撮影されてきたおなじみのサファリは、いったん忘れてほしい。ナミビア、ケニア、南アフリカでは、光の不在そのものを売りにする新たな観光の潮流が生まれている。星空観光、すなわちほぼ完全な暗闇の中で星を眺めるために旅をするというスタイルは急速に広がりを見せており、従来型観光が辿る、人が集中し混雑したルートとは異なる体験を求める層を惹きつけている。



アフリカの星空観光 ナミビア・ケニア・南アフリカ - Foto 1

アフリカの星空観光 ナミビア・ケニア・南アフリカ - Foto 2

三つの土地、三つのアプローチ

ナミビアは、国際ダークスカイ保護区に認定されたナミブランド自然保護区で先陣を切っている。ここのロッジでは本格的な天体望遠鏡が備えられ、天の川を天井代わりにして眠れるよう、屋外にベッドが設置されている。ケニアはチャルビ砂漠や北部の保護区での取り組みで応じており、昼間の従来型サファリと、現地で実地訓練を受けた専門家が案内する夜間観測とを組み合わせている。南アフリカは科学というカードを切る。スクエア・キロメートル・アレイ計画の拠点であるカルー地方には、天文学の普及活動と没入型体験を融合させた、専門のゲストハウスやツアーオペレーターから成る一大エコシステムが誕生している。

ルールを変えるモデル

これは観光客向けの単なる見世物ではない。この現象は、地元のガイドや天文愛好家に対する専門的な雇用を生み出すと同時に、光害対策のより本格的な政策推進にもつながっている。反応を示しているのは、若く、常時ネットに接続し、環境問題に敏感な層だ。この層の旅行者にとって、アフリカの夜空は、この大陸が古くから誇ってきた絵葉書のような風景と同じくらい追い求められる付加価値となっている。