要点

  • 滞在記録: ドイツ人エンジニアのルディガー・コッホ氏がパナマ沖水深11メートルの地点で120日間生活し、新たな世界記録を樹立した。
  • 科学ハビタット: 英国企業DEEPが開発したバンガードモジュールは、40年ぶりに建造された居住可能な水中実験施設であり、フロリダキーズ海洋保護区の水深17メートル地点に設置されている。
  • プロジェクトの拡大: DEEPは2030年までに海中への恒久的な人類進出を目指しており、水深200メートルで6名が28日間滞在可能なセントネルモジュールを開発中である。

豪華水中居住施設 ムラカとフローティングシーホース

モルディブでは、世界初の水中ホテル施設ザ・ムラカが営業している。10本のコンクリート製支柱に支えられた2階構造で、上層階にはリビング、主寝室、フィットネスルームが設けられている。下層階は水面下5メートル以上に位置し、ガラス壁面から周囲の海洋生物を180度の視界で観察できる。



海中ハビタット 滞在記録と水中の高級住宅 - Foto 1

ドバイでは、イタリア人建築家ジャンフランコ・ラジーレ氏が設計したフローティングシーホースのヴィラが、個人向け居住施設として展開されている。各ユニットは3層構造で、うち1層が完全に水中に沈み、潮位変動に対応するため水深1.5メートルに固定された25平方メートルの窓が2面設置されている。



海中ハビタット 滞在記録と水中の高級住宅 - Foto 2

バンガード 観光利用から科学研究へ

鋼鉄製コンテナほどの大きさを持つバンガードモジュールは、最大4名の潜水士が1週間以上滞在できる。44平方メートルのリビングスペースには折りたたみ式寝台と作業スペースが備わっている。この構造物は水深50メートルまでの運用を想定して設計されている。

運用方式は飽和潜水の原理に基づく。滞在者は高圧環境の居室で生活し、体内組織が窒素で飽和した状態となる。ムーンプールを通じて潜水のたびに減圧を行うことなく外部へ出入りできる。この仕組みにより、研究者は海洋生物を自然環境下で長期間観察することが可能となる。



海中ハビタット 滞在記録と水中の高級住宅 - Foto 3

ドーン・カーナギス氏は、DEEPの科学研究部門を率い、プロジェクトの目標として水中居住をより幅広い人々に広げることを挙げている。同社はすでに、水深200メートルで6名が28日間連続滞在できる、より大型のハビタットセントネルの開発を進めている。

コッホ氏の事例 海底での日常生活

59歳のルディガー・コッホ氏は、パナマ沖水深11メートルに設置されたオーシャンビルダーズ社のプロジェクト「シーポッド・アルファ・ディープ」の30平方メートルのカプセル内で120日間を過ごした。居住空間にはベッド、シャワーなしのトイレ、扇風機、テレビ、コンピューター、エアロバイクが備わり、太陽光パネルによる電力供給と衛星回線による水上との通信が確保されていた。



海中ハビタット 滞在記録と水中の高級住宅 - Foto 4

一日は朝6時のニュース視聴から始まり、その後仕事や家事が続いた。コッホ氏は海中での生活について、都市の生活リズムと比較して静かであり、波音や海洋生物の音が生活の基調をなしていたと語っている。このカプセルは観光客や家族向けではなく、海底での長期滞在に関する技術的実現可能性を示すための実証実験として設計されたものである。



海中ハビタット 滞在記録と水中の高級住宅 - Foto 5

展望

高級施設、研究用ラボラトリー、個人による実証実験まで、水中居住技術はDEEPが掲げる一つの目標、すなわち2030年までに海洋における恒久的な人類の存在を実現するという方向へ収斂しつつある。